札幌と旭川の中間に位置する小さな町、新十津川町に、出雲大社の分院がございます。
所在地: 〒073-1103 北海道樺戸郡新十津川町字中央32−9
なぜ新十津川に?とは思ってはいたんですが、訪れた事がある知人様に「とってもいいよ」と言われていたので、立ち寄らせて頂きました。
確かに、明るくてとてもいい神社でした。
出雲大社新十津川分院、境内と本殿
駐車場から本殿
今回は車で立ち寄ったので、こちらは駐車場から入口の鳥居を振り返って。
駐車場が鳥居の内側にあるんですよね~。だからいつものように、鳥居の前で一礼して入る・・・が出来なくって、う~ん、この場合、どうしたらいいだ?と思いつつ、そのままお参りさせて頂きました。
鳥居も立派ですね。
こちらも駐車場のあたりから、鳥居と逆側の本殿方向。
ご覧の通り境内はコンパクトですが、右側に緑があり、明るくていい感じの神社です。
この石碑は古そう。「出雲大社教 新十津川教会所」とあります。
手水舎には小さな大黒様
本殿。ステキです。
こちらのお参りは、分院とはいえ出雲大社ですから、「二礼、四拍手、一礼」の作法になります。
覚えておかなくても本殿脇にちゃんと書いてありますので(^^)、その通りにすれば大丈夫ですよ~。
うさぎがいっぱい
出雲大社の御神様、大黒様と言えば、因幡の白うさぎ。境内にはうさぎがたくさん。
本殿脇の古い狛犬の横にもうさぎが。うさぎは新しい感じなので、最近、設置されたんでしょうね~。奥に見えるのが、お守りや御朱印の授与所です。
そして授与所の前にはこのスペース。「石灯篭の間にお立ちになると曲が流れます」との立て看板が。
そう書かれると立ってみたくなるのが人間。
・・・立ってみましたとも。そして曲が流れましたとも。
誰もいない境内に、思わぬ大音量で流れる子供の民謡調の曲が、ちょっと恥ずかしかったです(汗
御朱印にもうさぎ

出雲大社新十津川分院・御朱印
御朱印にもうさぎさん。
このうさぎバーションと、大黒様が古代の神殿からお出ましになるバージョンと、2つあって選べます。
迷いましたが、うさぎにしました。
ところで、なぜ新十津川なんていう小さな町に出雲大社が?という話ですが・・・
御由緒・新十津川町のルーツは十津川村にあり
早速、公式サイトで御由緒を調べてみました。
本町開村の移住者である十津川衆(十津川村の士族)は、移住前の明治4年、奈良県十津川村において祖霊祭祀(それいさいし)(先祖祀り)を、仏教から我国古来の信仰である神道に改めました。
この事によりそれまでの仏教の宗派に変わる神道の教派を定める必要性が生じました。一村の協議の結果、福徳の神として知られ、魂の安寧をこの世・あの世の隔てなく守護される大国主大神をお慕い申し上げる出雲大社教に定め、一村を挙げて出雲大社教の教徒になりました。明治18年の事で御座います。
ゆえに明治23年、開拓の為に入植をした十津川衆はすべて出雲大社教の教徒でした。以来、開拓の辛苦にも「出雲の祈り・祖霊冥福の祈り」を心の柱として開拓の難儀を乗り越えて、労苦二十年の成果を御造営に捧げ当分院社殿を建立致しました。明治43年の事で御座います。
要するに・・・
新十津川町というのは、奈良の十津川村からの移住者で始まった町で、故郷の十津川村で信仰していた出雲大社教をそのままこの地へ持ってきた・・・という事でした。
そうでした。新十津川のルーツが十津川村というのは、北海道内では結構、知られた話。言われてみれば「なるほど」でした。
元々の十津川村でも、古来より出雲大社を信仰していた訳ではなくて、明治になってから村での協議の結果、そのようになったのですね。このへんは明治元年に出された神仏分離令が影響しているのでしょうか?
神社の由緒を調べていると、千年以上前に起こり、江戸時代まで続いた神仏習合と、明治になっての神仏分離の、両方の影響を感じますね。