北海道中央部の大雪山系の南の端、そして十勝平野の北側に位置する、然別湖(しかりべつこ)。
標高800mという北海道でも一番、高い所にある湖で、冬は全面凍結します。毎年、1~2月には、その凍結した湖の上にイグルーの村が作られ、中でも”氷上の露天風呂”が有名。
ですが。
若い頃は興味をそそられたこのイベントも、年々、歳を重ねてくると、冬にわざわざ寒い所へ行きたくなくなる(笑)。もう近年は「一生、行くことはあるまい」と思っていたのに・・・
何のご縁かこのトシになって、初めて行く事となりまして、行ってみたら、童心に帰る楽しさだったのでした!
目次
まず、湖に着くまでの場の氣が独特だった!
この旅の主目的は豊頃町のジュエリーアイスだったので、然別湖は「時期的にちょうどイベントが開催されているので、行ってみようか」という軽~い理由での宿泊でした。
ですので、イグルー村の”しかりべつ湖コタン”が開催されているってこと以外、事前知識は何もなく・・・だったんですが、湖が近づいてくると、場の氣の変化に目がぱっちり!(笑)
標高が高い所にある然別湖へ十勝平野から入ると、徐々に坂道を登り始めて、目の前に見えてくる山に入っていく感じになるんですが、そのあたりから、
「あの山には、カムイがいる」
って、感じたんです。
カムイとは、アイヌ語の「神」
私はあんまりそのへんにはフォーカスしない人で、土地なら土地、水なら水という、自然が持つそのもののエネルギーの方が同調しやすいんですが、今回ばかりは、はっきり「カムイ」という単語が、脳裏に浮かんできたんです。
すごく独特の場の氣でした。
これは湖のちょっと手前、峠の直前にある、扇ケ原展望台。
ここから見えるこの山と、すぐ先の噴石ゴロゴロの千畳くずれのあたりが、独特のエネルギーのピーク!
噴石ゴロゴロ・・・ってことは、そう、実はこのへん、火山の集合地帯。ジオパークにも指定されていて、然別湖も数万年前の火山活動で川がせき止められて生まれた湖なんです。火の氣はそれほど感じないものの、この場の氣の独特さは、やっぱり火山に由来するものかも知れません。
私が「カムイ」を感じたように、帰ってきてから調べたら、アイヌの人々も然別湖を聖地としていたそう。
さて、「道中がこうなら、湖は、一体、どんなの?」と、否が応でも高まる期待。
ドキワクだったんですが、峠を越すとエネルギーのピークが過ぎ、湖畔は意外にも・・・
「あれ?普通」
もしかして、湖が凍結すると、場の氣も一緒に凍結するのかも??
どんな大人も童心に帰る、冬の「しかりべつ湖コタン」
場の氣としては残念ながら、凍結している様子だった然別湖でしたが、それとは別に、イグルー村はどんな大人でも童心に帰ることができる、とっても楽しい場所でした!!
イグルーって、何?
イグルーはかまくらと違って、雪のブロックで作っていきます。
私が行った時は、まだ開幕したばかりで、チャペルは建設中でした。
お陰で建設途中も見学できましたが、こうやって雪のブロックを積み上げて作っていくのが、イグルーです。
作っているのは日本ばかりではなく、世界中から来るボランティアの方々。ボランティアは然別湖ネイチャーセンターで募集しています。
イグルーの中から天井を見上げるとこんな感じ。ブロックを繋いでいるのも雪なんですが、ブロック自体よりは繋ぎ目の方が光を通すので、中の写真を撮るなら夜より昼間の方がきれい。これもかまくらとの違い。
夜は外から見ると、イグルーの中の照明がほんのり漏れ出して、神秘的な美しさになります。
めちゃくちゃ楽しい!アイスバー
さて、上の天井を見上げている写真はアイスバーの内部なんですが、このアイスバーが楽しい!!
久々に”顔が自然に笑っちゃう”体験でした!
何が楽しいっていんじゃないんだけど、私も雪国育ち。無条件に童心に帰れます。
アイスバーのカウンター。
どのイグルーも然別湖にある雪と氷で作られているそうで、このテーブルの氷も湖から切り出したもの。とっても透明で美しいです。
私は温かい抹茶ラテを頼みましたが、夫は氷のグラスに挑戦!これはブルーカルピス。
居合わせた日本人のおじさま達は、朝からアルコールを注文していましたね。バスツアーね。
このように、氷のテーブルと雪の椅子も用意されています。
コンサートホール
コンサートホールはアイスバーに併設されています。
お客さんガラ空き・・・じゃないですよ!これはリハーサル中だったので、まだお客さんが入っていないんです。でも熊の親子が聞いてます☆
お母さん熊と記念撮影。
利用時間
- アイスカフェ営業時間 10:00~17:00
- アイスバー 営業時間 20:00~22:00
- 見学できる時間 9:00~22:00
※カフェ時間もアルコールは注文できます。1ドリンク500円。見学は無料。
営業時間は年によって変わる可能性がありますので、ネイチャーセンターのサイトでご確認下さい。
氷上露天風呂
中高年は死んだら困るから、氷上露天風呂は入りません(マジで)
しかし早朝の写真を撮るために、露天風呂の営業が始まる、朝6:30に行ってみたら・・・
中国人のカップルが来てました。6:30~18:00までは混浴なので、女性は外で待っていましたね。寒かっただろうな~。
だって、-16℃だったんですもん!ここで着替えて露天風呂に入るのは、すごい。
ええ、私も寒かったですが、ここで-8℃越えたら、体感、大して変わらないのを学習(笑)
足湯もあるので、人がはけてから、足湯を撮影。
利用時間
- 混浴 6:30~18:00
- 男性専用 18:00~20:00
- 女性専用 20:00~22:00
- 木曜日は午前中、メンテナンスのため営業不可
※利用は無料です。営業時間は年によって変わる可能性がありますので、ネイチャーセンターのサイトでご確認下さい。
今回の宿泊場所・然別湖畔温泉ホテル風水
湖畔には、私が泊ったホテル風水と、然別湖ネイチャーセンターがあります。
ちょっと前まで、然別湖には2つのホテルがあったんですが、然別湖ホテル福原が閉鎖してしまったので(何でも、耐震工事の費用が捻出できなかったとか・・・)、現在は風水を残すのみです。
風水も、設備は年季が入っていましたが、従業員の方がどなたも物腰が上品で感じよく、人里離れた山中のホテルに来たとは感じさないものでした。
アイスコタンが開設したばかり・・・ということで、ホテルのロビーにはお祝いのお花が。
お部屋もレイクビュー。
そしてお湯が最高!! 100%掛け流しです!柱の土台部分にも、びっしりと茶褐色の湯の花が付いていました。
コタンの氷上露天風呂のお湯も、風水から引いているんですよ!
で、ご覧の通り、すぐ外は凍った湖。だから宿の露天風呂も、氷上露天風呂と変わらないんだけど(笑)、暖かい内湯からすぐ入れるので楽です。
日帰り入浴
12:00~17:00まで
宿泊はこちらから
然別湖へのアクセスは?
ツアーはある?
この冬の”しかりべつ湖コタン”へのパックツアーというのはなかなかなくて、実際、現地で出会った団体様もバーでお酒を召し上がっていた叔父様方くらいで、多かった中華圏から方々も、みんな個人旅行のようでした。
でも調べたら、十勝川温泉からの「タクシープラン」が、7000円でありました。下記サイトで「しかりべつ湖コタン」で検索すると、出てきます。
十勝川温泉までは、札幌や千歳空港からのバスもありますので、組み合わせれば、自分で運転しなくてもコタンへ行けますよ!
レンタカーもオススメ
冬道に慣れない方は、何かあった場合に備えてJAFへの加入もお忘れなく。
最寄り情報
然別湖ネイチャーセンター
然別湖の季節のアクテビティを、企画、運営しているのが、然別湖ネイチャーセンター。
イグルーに宿泊するアイスロッジの企画も、ネイチャーセンターで申し込めます。
私はネイチャーセンターに立ち寄って、この小冊子を頂きました。然別湖のある鹿追町の観光案内です。(オシャレに作ってあるし、色んな情報が載っていてオススメ)
「ホテルもチェックアウトしたし、昼はどこで食べよう?」と、やや途方に暮れそうになっていたところ、この冊子のお陰で、とってもいい牧場レストランに出会う事が出来ました!
カントリーホーム風景
それがこの「カントリーホーム風景」さん。
所在地;〒081-0346 北海道河東郡鹿追町東瓜幕西18線28-26
定休日;毎週月曜日、第2火曜日(月曜日が祝日の場合は、翌火曜日休み)
冊子に美味しそうなハンバーガーの写真が載ってまして・・・それにつられて入って注文してみたら、ほどなくして「パン、パン」と、ハンバーグを成型している音が。
注文してから作ってくれるなんて、本格的!
ボリュームたっぷり!一口でパクつくのは大変なので、私はテーブルに備え付けてあった、ナイフとホークで食べましたが、ハンバーグはもちろん、パンも、つけ合わせの野菜と、ソーセージも、全部、美味しい!
これまた何も知らずに入った訳ですが、札幌の百貨店、丸井今井の”きたキッチン”にも、ヨーグルトを卸している名店でした!
このヨーグルトがまた・・・「久々に、こんなおいしいヨーグルト食べた!」と思った、めっちゃくちゃ美味しいヨーグルト!札幌の皆様にも、ぜひお勧め!!
カントリーホーム風景さんは、完全に山を降りた十勝平野にありますが、その付近がまたこういった防風林があって、フォトジェニックでした!
個人の所有地ですから、撮影は畑には入らないように、そして交通のジャマにならないように、安全にも気をつけてどうぞ~。
まとめ・荒らしていい所ではない、然別湖。自然と共に楽しむ場所です。
とっても楽しかった、冬の然別湖。
それでもやっぱり湖に着くまでの、カムイを感じたあの場の氣は独特で、荒らしていい場所ではないだろうな~と思うのです。
閉鎖されたホテル福原も、このままでは巨大な廃墟になってしまうかも・・・で、それはちょっと気になっています。
然別湖は、そんなものがあっていい場所ではありません。
なので、ホテルを建てたからには、適当に観光客が来続けて、みんなが然別湖の自然を尊重して、楽しめる場所であり続けて欲しいな~と思います。
今はお客さんの半分が中国人でしたが、それでも個人旅行の方々ばかりで、いい感じでした。
大人も子供も笑顔になれる冬のイグルー村、コタンも、このままずっと続いて欲しいと思います。
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では、ここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。